「長年ニューヨークに住んでいたので、自分にとって馴染みのあるBrooklynStyleのcafe barを作りたい。」

15年間ニューヨークに住んでいるお客様からのご依頼で、日本に戻ってくるのでカフェバーを始めたい。ブルックリンスタイルのお店を作ってほしい。とのご要望にお応え致しました。

お客様からの一番初めの店舗図面のイメージ

↑お客様からの一番初めの店舗図面のイメージです。ここから全てが始まりました。

 

お話を頂いた時はまだお客様はニューヨークにお住まいで、帰国の際に少しお話をさせていただいて、その後はインターネット上での打ち合わせを主に進めて参りました。

ニューヨークと弊社のある埼玉の片田舎の毛呂山町でのスカイプ(TV通話:お互いの顔を見れる状態での対話ツール)通信という、とてつもない違和感の中、打ち合わせ時間など時差を考慮しながら、少しだけグローバルな事をやっていました。インターネットがあったからこその工事でした。

一番初めの店舗内の写真

 

初めに頂いたイメージ図面とお客様のイメージしているブルックリンスタイルの内装など、細部に渡り打ち合わせをさせていただき、厨房機器に何を入れるか、どの配置で納めるか、バックヤードはどうするか、保健所の絡み、消防法など、0からのスタートはとてもやりがいがありました。
結果全ての厨房機器や各間取りの寸法を出して何度も変更しつつ完成させていきました。

変更過程を全てお見せしたら膨大な量になってしまうため、初期の設置イメージと終盤のイメージだけ載せておきます。

使用したい厨房機器の寸法と設置したい場所を元に動線などを確認しながら、バックヤードやトイレのサイズなど色々大変でしたが何とか形にできました。

このイメージの状態を元に、内装の雰囲気をどの様にするか、などお客様から各箇所のイメージ写真などをいただき、それを元に壁のタイル、トイレ、カウンターなど提案し細部を決めて参りました。ニューヨークとの中継だけで…。

それでも、お客様と綿密にお話が出来てお互いのイメージやプランをしっかりと伝え合えれば、目の前に居ても、ニューヨークに居ても同じなのだと今回感じました。

しっかりとお客様のご要望を理解し、私の言葉に置き換えてお客様に確認を取る。当たり前のコミュニケーションですが、意外に聞くだけでお客様に確認する作業を端折ってしまわれる業者も多く、そうするとイメージのすれ違いを起こしたりします。弊社では事細かくお客様に確認を取る様にしております。そして職人さんにも事細かくお客様のご意向をお伝え致します。

前置きが長くなってしまいましたが、以下、施工写真です。

 

次に天井下地、天井からの電気配線、壁下地からの電気配線。
天井ボード貼り、天井点検口、ダクト、ガス管設置、壁ボード貼りと続きます。

間仕切りの柱まで設置すると、雰囲気が出てきました。

 

壁にレンガを貼り、カウンター上部には厨房との境の為の下がり壁の下地設置。

 

カウンター

 

 

画像は無いのですが、カウンター設置後にカウンター裏面にキッチンパネルなどを設置し、キッチン内の床を防水塗装。
そのあと厨房機器を搬入設置しました。
先程のカウンター塗装の写真にはすでに厨房機器が搬入設置されています。

 

今回の店舗は店舗入口もこだわって作りました。

建具屋に木部材料を収め、(材種はアサメラという固くて丈夫な木です。この店舗のメインとなる木で、床板や巾木、廻縁など細部にも使用しております。)特注で製作致しました。窓が大きいのと厚みもあるのでとても重い扉です。両サイドへの折れ戸を希望されていたので、扉の重量と金物の強度との闘いとなりました。万が一の事も踏まえこれまた重量のある強化ガラスが入ります。

 

施工も後半戦

 

 

 

 

 

壁のレンガと床板と、いい雰囲気に纏まりました。

 

 

 

 

 

後日施工話

こちらのお店は開店当初オーナー様のご意向で看板もあえて取り付けず、告知を一切行わずにオープン致しました。「看板の無い謎のお店がオープンしたけど何というお店?」というウワサ話から始まったのですが、看板が見当たらないため(勿論お店の名前はあるのですが…)当然名前より先に「どこどこに新しく出来たお店」「名前は良く分からないんだけど、どこどこの場所にあって、雰囲気とか味とか良かったよ」という感じで、名前が不透明なため説明するのにも場所の情報が必ず付属されるという認知の広め方をしておりました。看板をあえて取り付けなくてもお店は成り立つものなんだなと感心させられておりました。

そして2年が経ち、認知度も定着したころ、オーナー様から、ちょっと雰囲気のある看板を作ってくれないかとのご依頼を受け、作成し設置致しました。

 

 

 

この看板達も雰囲気を活かすのに一役買っているなぁと思いました。

元々弊社は材木屋ですが、お客様からのご要望に応えられる限りお応えしたいという気持ちが強くあります。

ですので木を活かしたいのは勿論ですが、それ以外の「材木屋に頼むのはどうなの?」と言ったご依頼などでも、可能な限りはご対応させていただきたいと思っておりますので、「こんな感じのイメージのお店を作りたいんだけど。」と言った具合に、一度お気軽にご相談してみて下さい。

お客様の理想を形にするために、斎藤材木店も一緒に考えます。